東小金井さくらクリニックでの新型コロナワクチン定期接種について

当院では2025年度より、新型コロナワクチンの定期接種に武田薬品工業が提供する「ヌバキソビッド®(ノババックス社製)」を使用します。
これまで当院は、より多くの臨床実績があるコミナティを用いてきましたが、今後は副反応の少なさと安心感、免疫効果の持続性を重視し、ヌバキソビッドに切り替えます。
そのため、従来接種していたファイザー社製「コミナティ®」は使用いたしません。

ヌバキソビッドとは

ヌバキソビッドは組換えタンパクワクチンで、広い意味では不活化ワクチンの一種です。
遺伝子組換え技術で人工的に作ったスパイクタンパク質(ウイルスが感染する際に重要な部分)を、あらかじめ安全な形で体内に届け、免疫をつけます。
スパイクタンパク質は体にとって異物なので、接種すると免疫機能が活性化され、ウイルスを攻撃・排除する抗体や細胞性免疫が誘導されます。
また免疫の働きを高める補助成分(アジュバント)も含まれており、効率よく免疫を獲得できます。
この方式はB型肝炎や帯状疱疹ワクチンなどでも長年使用されており、安全性の実績が豊富です。

ヌバキソビッドを選ぶメリット

<副反応が少なく受けやすい>

  • コミナティ(mRNAワクチン)では全身性の副反応(発熱・倦怠感・頭痛・筋肉痛など)が約40〜60%の方に見られます。
  • ヌバキソビッドでは発熱は10%未満、倦怠感は30%前後と報告されています。
  • 「前回mRNAワクチンで高熱や倦怠感がつらかった」という方でも安心です。

<免疫効果が長く続く>

  • コミナティは感染予防が3〜6か月程度で低下しやすく、重症化予防もおおむね6か月程度といわれています。
  • ヌバキソビッドは接種後少なくとも1年間は免疫が持続するとのデータがあり、年1回の接種で十分な予防効果が期待できます。

<国が承認する定期接種ワクチン>

  • コミナティと同等の感染・重症化予防効果が報告されており、国の定期接種として認められています。

<接種後の生活が楽>

  • 発熱や強い倦怠感が少なく、翌日から仕事・家事・育児への影響が出にくいのも大きな利点です。

コミナティ®とヌバキソビッド®の比較

項目 コミナティ®
(ファイザー)
ヌバキソビッド®
(武田薬品・ノババックス)
ワクチンの種類 mRNAワクチン 組換えタンパクワクチン(広義の不活化ワクチン)
作用の仕組み mRNA(設計図)を体内に入れ、細胞内でスパイクタンパクを作らせて免疫を獲得 あらかじめ作ったスパイクタンパクと免疫補助成分を投与して免疫を獲得
技術の実績 新型コロナ用に新規開発 B型肝炎・帯状疱疹など長年の実績あり
発熱の頻度 全身性副反応約40〜60% 発熱8〜10%未満、だるさ約30%
有効性・持続期間 感染予防は3〜6か月で低下、重症化予防は約6か月程度 感染・重症化とも少なくとも1年程度持続する報告あり
接種後の体調 発熱・倦怠感が強く出る場合あり 全身の副反応が比較的少ない
国の承認状況 定期接種に使用可 定期接種に使用可

(数値は公表データを基にした一般的な目安です)

当院からのメッセージ

当院では、副反応の少なさ・従来型に近い技術による安心感・免疫効果の持続を重視し、今後はヌバキソビッドのみを使用します。ヌバキソビッドは接種後1年間程度の免疫効果が報告されており、年1回の定期接種で十分な予防が期待できます。
これまでコミナティを接種されてきた方でも、安心してヌバキソビッドをお選びいただけます。

参考リンク:
新型コロナワクチン(厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html